【速報解説】かご落ち防止策？Google×PayPal提携で変わる決済の常識とインパクト

2025.09.24
読了時間目安 4分

2025年9月17日、大きな発表がありました。GoogleとPayPalが、商取引の未来を大きく変える複数年にわたる戦略的パートナーシップを締結したのです。
これは単なる「決済オプションの追加」ではありません。AIを活用し、分断されていた顧客体験をシームレスに繋ぎ、オンラインとオフラインの垣根を越えた「次世代のショッピング体験」を実現するための号砲です。
本記事では、この提携があなたのビジネスに具体的にどのような変革をもたらすのか、分かりやすく解説します。

なぜ今、GoogleとPayPalの提携がビジネスの追い風になるのか？
PayPalのエージェントコマース「Agentic Commerce」が進化？
まとめ：未来のショッピング体験は、もう始まっている
参考・出典

なぜ今、GoogleとPayPalの提携がビジネスの追い風になるのか？

今回の提携が画期的である理由は、大きく3つあります。それは「決済体験の圧倒的な向上」「AIによるパーソナライズされた購買促進」「信頼性と拡張性の担保」です。

1. 決済の壁を取り払う、シームレスな購入体験

ユーザーが商品を購入する際、離脱しやすいプロセスの一つが決済プロセスです。情報の入力が面倒、希望の決済方法がない、セキュリティが不安…これらが原因で、多くのビジネスチャンスが失われています。今回の提携により、Googleの各種プラットフォーム上で、PayPalブランドのチェックアウト機能が広く組み込まれます 。
また企業にとっては、PayPal Enterprise PaymentsがGoogle Cloud、Google Ads、Google Playなどで主要な支払いプロバイダーの一つとなる点は見逃せません。

世界中で広く利用されているPayPalのスムーズな決済がGoogleのサービスに統合されることで、ユーザーはストレスなく買い物を楽しめ、事業者はコンバージョン率の大幅な改善を期待できるのです。

2. AIが一人ひとりに寄り添う「エージェント型コマース」の実現

今回の提携の核となるのが、AIを活用した「エージェント型ショッピング」の創出です。

これは、AIがまるで優秀な販売員（エージェント）のように、顧客一人ひとりの好みや購買履歴を学習し、最適な商品を最適なタイミングで提案する未来のコマース形態です。

具体的には、以下のような体験が考えられます。

AIアシスタントが「最近購入されたオーガニックコーヒーに合う、新しいマグカップが入荷しました。いつものPayPalアカウントで購入しますか？」と提案する。
顧客が「来週のキャンプで使えるランタンを探して」とAIに話しかけるだけで、評価が高く、予算内の商品を複数提案し、そのまま決済までをサポートする。

この提携は、Googleが持つ業界トップクラスのAI技術と、PayPalが持つグローバルな決済インフラおよびデータを融合させることで、このようなパーソナライズされた体験を現実のものにします。これにより、顧客満足度は飛躍的に向上し、LTV（顧客生涯価値）の最大化に繋がるでしょう。

3. 世界基準のセキュリティとビジネスの拡張性

オンラインビジネスにおいて、セキュリティは生命線です。GoogleとPayPalという、世界で信頼されている企業同士が手を組むことで、その基盤はさらに強固になります。両社がインフラからアプリケーション、そして決済処理までがスムーズに連携することで、開発効率は向上し、より安定したサービス提供が可能になります。

さらに、PayPalがGoogle Cloudと共に次世代の支払いプラットフォームを強化していくことで、将来的なビジネスのグローバル展開や、新たなサービス開発においても、強力なインフラ基盤を得ることができるのです。

PayPalのエージェントコマース「Agentic Commerce」が進化？

以前こちらの記事で、Visa・Mastercard・PayPalのエージェントコマースについて解説しましたが、PayPalのエージェントコマースは「Agentic Commerce」と呼び、「AIが顧客や企業に代わって取引を行うこと」と定義しています。開発者や販売業者に次世代のショッピング体験を創造するために、既存のデジタルウォレット機能を拡張し、AIエージェントが利用しやすい形に最適化することに焦点を当てています。
PayPalの既存の規模と範囲を活用し、エージェントコマースのグローバル展開を加速させています。世界中でエージェント・コマースを促進するためのオープンなプラットフォームになるよう基盤を構築しているとのことです。

今回の提携で、「PayPalのグローバル決済インフラ、データドリブンなパーソナライゼーション、そして信頼できるIDソリューションと、GoogleのAIの専門知識を融合させ、新たなAI体験を提供する」と名言しています。つまり、PayPalはエージェントコマース「Agentic Commerce」を強化してきていますが、今回の提携で更なる進化を遂げる可能性があると言えるでしょう。

まとめ：未来のショッピング体験は、もう始まっている

GoogleとPayPalの提携は、単なる技術ニュースではありません。世界基準のセキュリティとビジネスの拡張性を用いて、決済のストレスから顧客を解放し、AIによって一人ひとりに最適化された「おもてなし」を提供する。そんな新しいショッピング体験を自社のサービスで実現できれば、顧客満足度や売上向上はもちろん、唯一無二のブランド価値を築くことができるでしょう。