RWAトークン化、ついにJPモルガンが本格参入!2025年12月の衝撃発表まとめ

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RWA(Real World Assets/実世界資産)とは、不動産・国債・株式・MMF(マネーマーケットファンド)などの現実資産を、ブロックチェーン上で扱える形(トークン)にして流通・管理しやすくする動きです。
結論から言えば、RWAは投機テーマを超え、取引・保管・担保・決済という「金融インフラ」を作り替える段階に入りつつあります。
本記事では、JPモルガン、DTCC、ドイツ取引所グループ、そしてSBIリップルアジアの最新動向を解説し、その上で押さえておくべきポイントを整理します。

RWA(現実資産)トークン化とは?なぜ今注目されるのか

そもそもRWAとは何か

RWA(Real World Assets)とは、不動産、国債、株式、コモディティ(金や原油)、あるいはアート作品といった「現実世界に存在する資産」のことです。これらをブロックチェーン上で取引可能なデジタルデータ(トークン)に変換することを「RWAのトークン化」と呼びます。

ビジネスにおける3つのメリット

RWAが単なるバズワードで終わらない理由は、金融システムが抱える構造的な課題を解決し得るからです。

  1. 流動性の向上:不動産などの売り買いしにくい資産を小口化し、世界中から投資を募ることが可能になります。
  2. 決済の効率化(即時性):証券の受け渡しと代金決済をプログラムで同時に行う(DvP決済)ことで、数日かかっていた処理を「数分・数秒」に短縮できます。
  3. 24時間365日の取引:市場の営業時間にとらわれず、グローバルな取引が可能になります。

これまで「怪しい」と敬遠されがちだった暗号資産技術ですが、裏付けとなる資産が「米国債」や「不動産」といった信頼性の高いものであるため、機関投資家にとっても参入障壁が下がっているのです。

注目トピック4選

JPモルガン:世界最大級銀行が公開ブロックチェーンでMMFをトークン化

2025年12月15日、J.P. Morgan Asset Managementは、同社初のトークン化マネーマーケットファンド「MONY(My OnChain Net Yield Fund)」を、パブリックなEthereumブロックチェーン上でローンチしました。

J.P. Morgan Asset ManagementのCEOであるGeorge Gatch氏は「アクティブ運用とイノベーションは、今日の金融環境を乗り越える投資家に新しいソリューションを提供する中核にある」と述べています。

注目すべきポイントは以下の通りです。

  • グローバルにシステム上重要な銀行(GSIB)として初の公開ブロックチェーン上でのトークン化MMF
  • 投資対象は米国債および米国債を担保とするレポ取引のみで、安全性を重視
  • 機関投資家向けプラットフォーム「Morgan Money」経由で適格投資家がアクセス可能
  • 現金またはステーブルコインでの申込・償還が可能

この動きは、伝統的金融(TradFi)の巨人がブロックチェーン技術を本格採用する転換点といえます。

DTCC:SECからNo-Action Letterを取得、米国証券のトークン化へ

2025年12月11日、米国証券決済の中核を担うDTCC(The Depository Trust & Clearing Corporation)は、子会社のDTC(The Depository Trust Company)が米国SEC(証券取引委員会)からNo-Action Letterを取得したと発表しました。

No-Action Letterとは、SECが特定の行為について法的措置を取らないことを示す書簡であり、事実上の規制承認を意味します。これにより、DTCは以下の資産をトークン化するサービスを提供できるようになります。

  • Russell 1000(米国上場企業時価総額上位1,000社)
  • 主要インデックスに連動するETF
  • 米国債(短期証券、中期債、長期債)

サービス開始は2026年後半を予定しており、3年間の承認期間が設けられています。
さらに、DTCCのCEO Frank La Salla氏は「米国証券市場のトークン化は、担保の流動性向上、新たな取引形態、24時間アクセス、プログラマブル資産といった変革的なメリットをもたらす可能性がある」と強調しています。

Kraken × ドイツ取引所グループ:伝統金融とデジタル資産の架け橋

2025年12月4日、暗号資産取引所Krakenと、欧州最大の金融市場インフラであるドイツ取引所グループ(Deutsche Börse Group)は、戦略的パートナーシップを発表しました。

このパートナーシップは、取引、カストディ、決済、担保管理、トークン化資産という幅広い領域をカバーし、以下の施策が含まれます。

  • 360Tとの直接統合:世界最大級のFX取引プラットフォームへのアクセスにより、法定通貨のオンランプ・オフランプ効率を向上
  • Eurex上場デリバティブへのアクセス:欧州最大の規制されたデリバティブ市場をKraken経由で取引可能に(規制当局の承認待ち)
  • xStocksの統合:トークン化株式規格を360Xエコシステムに統合し、機関投資家向けにトークン化証券の流通を拡大

ドイツ取引所グループCEOのStephan Leithner氏は「この協業は、規制されたインフラストラクチャの信頼性と回復力を、デジタル資産エコシステムのイノベーションと組み合わせることで、金融市場の未来を形作るという当社のコミットメントを示している」と述べています。

SBIリップルアジア × Doppler Finance:XRP LedgerでのRWAトークン化

2025年12月17日、SBIリップルアジアとDoppler Financeは、XRPベースの利回りインフラおよびRWAトークン化に関する覚書(MOU)を締結しました。

これは、SBIリップルアジアがXRP Ledgerネイティブのプロトコルと締結した初めてのパートナーシップであり、日本のデジタル金融エコシステムにおいて重要なマイルストーンとなります。
SBI Digital Markets(シンガポール金融管理局規制下のデジタル資産事業体)が機関投資家向けカストディアンとして任命され、分離管理による資産保護体制が構築されます。

押さえるべき3つのポイント

1. 規制環境の整備が加速

SECによるNo-Action Letterの発行は、米国におけるRWAトークン化の規制の明確化を示しています。日本においても、金融庁がデジタル証券(セキュリティトークン)に関するガイドラインを整備しており、今後さらなる進展が期待されます。

2. 伝統的金融機関の本格参入

JPモルガン、DTCC、ドイツ取引所という世界的金融インフラが相次いでRWAトークン化に参入したことは、この分野が「実験」から「実用」へ移行したことを示します。日本の金融機関にとっても、競争力維持のための戦略的検討が求められます。

3. アジア市場での連携強化

SBIグループの動きは、日本がアジアにおけるRWAトークン化のハブとなる可能性を示唆しています。XRP Ledgerのような高速・低コストのブロックチェーンを活用した金融インフラの構築は、クロスボーダー決済やデジタル資産取引において競争優位性をもたらす可能性があります。

まとめ

2025年12月の一連の発表は、RWAトークン化が金融業界のメインストリームに位置づけられる時代の到来を告げています。
JPモルガンによる公開ブロックチェーン上での初のトークン化MMF、DTCCによる米国証券トークン化サービスの規制承認、Krakenとドイツ取引所グループの戦略的パートナーシップ、そしてSBIリップルアジアのXRP Ledger活用はいずれも、金融の「デジタル化」が次のステージに入ったことを示しています。

RWAトークン化は、資産運用の効率化、取引コストの削減、新たな投資機会の創出など、多くのメリットをもたらす可能性を秘めています。


参考・出典

本記事は、以下の資料を基に作成しました。


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