5分で把握!デジタル通貨の最前線|GENIUS法・MiCA・デジタル人民元を徹底解説【2026年最新版】

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世界の金融システムが大きな転換点を迎えています。中央銀行デジタル通貨(CBDC)ステーブルコインという2つのデジタル通貨が、国際決済や企業の資金管理のあり方を根本から変えようとしています。日本企業がグローバルビジネスを展開するうえで、この動向を把握することは今や不可欠です。

なぜ今、デジタル通貨に注目すべきなのか

従来の国際送金は、複数の銀行を経由するコルレス銀行ネットワークを通じて行われました。しかしこの仕組みには、処理に数日を要する遅さ、高額な手数料、そして透明性の欠如という課題がある。こうした非効率性は、グローバル貿易や企業間取引の足かせとなってきました。

デジタル通貨はこれらの課題を解決する可能性を秘めています。「CBDC」は中央銀行が発行・管理するデジタル形式の法定通貨であり、「ステーブルコイン」は民間発行ながら法定通貨や国債などで価値が裏付けられた暗号資産です。両者は異なるアプローチながら、決済の即時化・低コスト化という共通の目標に向かっています。

世界で進むステーブルコイン規制——米国とEUが先導

2025年、ステーブルコイン規制は劇的な進展を見せた。特に米国では7月、トランプ大統領が「GENIUS法」(Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act)に署名し、史上初の連邦レベルでのステーブルコイン規制が成立しました。

同法の主なポイントは次の通りです。

  1. 発行者に対して米ドルや短期国債などの流動性の高い資産による100%の準備金保有を義務付けている。
  2. 準備金の構成に関する月次での公開開示が求められる。消費者保護の観点から、政府保証や法定通貨であるかのような誤解を招く表示は禁止される。
  3. 発行者が破綻した場合、ステーブルコイン保有者の請求権が他の債権者に優先するという保護規定も設けられた

この法律により、ステーブルコイン発行者は米国債の購入を増やすことになり、ドルの基軸通貨としての地位強化にも寄与すると見られています。

欧州連合(EU)では、暗号資産市場規制(MiCA)が2024年末から本格施行されています。MiCAは暗号資産サービス事業者(CASP)の認可制度や、資産参照型トークン(ART)・電子マネートークン(EMT)と呼ばれるステーブルコインの発行要件を定めています。欧州証券市場監督局(ESMA)は統一的な規制適用を推進し、2025年11月時点で域内約70のCASPが認可を取得しています。

アジアの動き——中国・インド・日本の最新状況

アジア各国もデジタル通貨政策を急速に進めています。

中国のデジタル人民元(e-CNY)は2025年11月末時点で累計34.8億件、16.7兆元(約2.37兆ドル)の取引を記録しました。注目すべきは2026年1月からの制度刷新で、デジタル人民元が現金類似の決済手段から預金に近い性質へと移行することです。商業銀行のウォレット残高には預金金利が付され、預金保険の対象にもなる予定です。

インドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)は、デジタルルピー(e₹)のパイロットプログラムを実施しています。小売向けと卸売向けの2種類があり、小売向けは19の銀行が参加してウォレットアプリを提供中です。デジタルルピーは物理的な現金と同様の特徴を持ち、インターネット接続なしでも取引可能なオフライン機能や、特定用途への利用を限定できるプログラマビリティ機能の検証も進んでいます

日本では、金融庁の金融審議会ワーキンググループが2025年12月、暗号資産規制の抜本的見直しを提言する報告書を公表しました。暗号資産を資金決済法から金融商品取引法の規制対象に移行させ、投資家保護を強化する方向性が示されています。ステーブルコインについては、2023年の資金決済法改正で「電子決済手段」として規制枠組みが整備されており、2025年にはSBI VCトレードがUSDCの配布ライセンスを、JPYCが初の円建てステーブルコイン発行ライセンスを取得しました。

国際協調の新潮流——Project Agoráの挑戦

国境を越えた決済の効率化に向け、国際決済銀行(BIS)が主導する「Project Agorá」が注目を集めている。7つの中央銀行(日銀含む)と40以上の民間金融機関が参加するこのプロジェクトは、トークン化技術を活用した複数通貨対応の統一台帳の実現可能性を検証しています。

従来のコルレス銀行ネットワークでは、取引の完了まで複数日かかり、手数料も高額でした。Project Agoráが目指すのは、中央銀行マネーと商業銀行預金をトークン化し、同一プラットフォーム上で即時かつ同時に決済を完了させる仕組みです。2026年前半には最初の報告書が公表される予定で、実現すれば国際決済の姿が一変する可能性があります。

押さえるべき3つのポイント

  1. 規制環境の急速な整備:TRM Labsの調査によると、2025年に分析対象となった30法域のうち70%以上でステーブルコイン規制の進展が見られた。規制の明確化は機関投資家の参入を促進しており、約80%の法域で金融機関によるデジタル資産関連の取り組みが発表されている。
  2. 自社の国際取引への影響を検討する必要性がある:ステーブルコインやCBDCは、24時間365日のリアルタイム決済や、条件付き決済(支払条件が満たされた場合のみ自動執行)など、新たな決済オプションを提供しうる。特にサプライチェーンファイナンスや貿易金融の分野での活用が期待されています。
  3. リスク管理の重要性:デジタル通貨の普及に伴い、サイバーセキュリティやマネーロンダリング対策の重要性も増しています。2025年初頭には暗号資産取引所Bybitが約15億ドル相当の流出被害を受けており、企業としてのセキュリティ体制構築が不可欠となっています。

まとめ——変革の波に備える

CBDCとステーブルコインは、もはや実験段階を超え、実用化フェーズに入りつつあります。各国の規制整備が進み、国際的な協調体制も構築されつつある中、日本企業にとっては新たな決済手段としての活用可能性を検討する好機といえるでしょう。自社の国際取引のあり方を見直し、デジタル通貨がもたらす効率化の恩恵を受けるための準備を始めるべき時期に来ています。


参考・出典

本記事は、以下の資料を基に作成しました。


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