【最新まとめ】主要8社の生成AI実行力アップデートを一気読み（2025年10月前半）

2025.10.17
読了時間目安 5分

2025年10月前半の大型アップデートは「エージェント×業務データ×行動（実行）」の統合が主軸です。OpenAI・Salesforce・AWS・Google・Microsoft・Slack・Anthropic・Adobe各社の戦略と最新動向を整理すると、ビジネスにおけるAI活用の方向性が明確に見えてきます。

【サマリー】主要企業の10月前半の発表
【詳細】会社・サービス別の要点を最短で把握
まとめ
参考・出典

【サマリー】主要企業の10月前半の発表

①企業データへのコネクト（接続）と権限制御、②タスク自動化、③販売・サポート・IT運用など部門別の業務完結を狙うものが中心です。

SalesforceとSlackは“Agentic Enterprise/OS”という運用設計の概念を打ち出し、OpenAIはアプリ流通（Apps）を解禁、AWSはQuick Suiteで横断実行に踏み込みました。GoogleはUI操作が可能なGemini 2.5 Computer Use modelをAPI経由でパブリックプレビューへ、MicrosoftはWindowsにコネクタ＋ドキュメント生成を直接載せています。Adobeは消費者側の購買行動が生成AIで変わる兆候を示しました。

【詳細】会社・サービス別の要点を最短で把握

OpenAI

ChatGPTに“会話できるアプリ”を導入：開発者向けApps SDK（MCP基盤）をプレビュー提供、EU域外のChatGPTユーザーから利用開始。初期パートナーはBooking.com/Canva/Coursera/Expedia/Figma/Spotify/Zillow 等。年内に審査・公開申請と収益化詳細、Business/Enterprise/Eduにも拡大予定。
Broadcomと戦略提携：OpenAI設計のAIアクセラレータ10GWを共同展開。2026年後半開始〜2029年末までにラックを配備、Ethernet中心のスケールアウトで次世代クラスターを構築。

Google（DeepMind）

Gemini 2.5 Computer Useをパブリックプレビューへ：アプリ横断の複雑タスク自動化を“安全枠組み”付きで実行する方向性を明確化。
このモデルはエージェントが「user interfaces (UIs)」と対話できるように構築された専門モデル。エージェントがフォームの記入、ドロップダウンやフィルターなどのインタラクティブな要素の操作、ログインを伴う操作など、人間と同様にクリック、タイピング、スクロールといったUI操作を実行可能。

Anthropic

Claude Haiku 4.5を発表：軽量モデルの最新版Claude Haiku 4.5を発表。応答速度やコスト効率を重視しつつ精度も向上、API/Consoleで提供。加えてDeloitteとの提携で規制産業向け導入を加速。

AWS（Amazon）

Amazon Quick SuiteをGA（一般提供）：Slack・Salesforce・Snowflake・各DB等を横断検索し、Jira/ServiceNow/Salesforceの更新まで実行。一部リージョンで提供を開始し、30日無料トライアルあり。
Quick SuiteをAmazonでも活用：Quick Suiteは、従業員がインサイトを見つけ、深い調査を行い、タスクを自動化し、アプリケーションを横断してアクションを起こす方法を変革するAWSの「agentic AIアプリケーション」。これは、Amazonの数万人の従業員で既に徹底的にテストされており、今後も活用される。

Salesforce

Agentforce 360を発表：“Agentic Enterprise”構想の中核として、人とAIエージェントを単一の信頼プラットフォームで接続（Data 360／Slack／Customer 360を束ねる）。会話型ビルダー、ハイブリッド推論、Voice等も搭載。
事例：Williams-Sonomaがブランド横断でAgentforce 360を全社導入。顧客サポートの高度化を狙う。

Slack

Dreamforceで“Agentic OS”を宣言：イベントDreamforceにてSlack自体を「agentic OS」（エージェント的OS）として位置づけ、人、AI、エージェントがシームレスに連携する単一の会話型ワークスペースとしての役割を強調した。
Slackbot再設計とChannel Expert（常時稼働の社内知識エージェント）、Real-Time Search API/MCPサーバなどを公開。更にSlackは、Agentforce Sales、IT Service、HR Service、およびTableau Next向けに、新しい目的別エクスペリエンスを提供することで、Salesforceの「会話型インターフェース」となることを目指す。

Microsoft（Windows）

Copilot on WindowsにConnectors：Connectors（OneDrive/Outlook/Gmail/Google Drive/Google Calendar/Google Contacts 等）とDocument Creation/ExportをWindows Insider向けにロールアウト開始。
Copilotは接続されたすべてのサービスに対して自然言語で横断検索できるようになる。600文字超の回答には、テキストをWord、PowerPoint、Excel、またはPDFに直接ワンクリック書き出し、または送信が可能。

Adobe

米ホリデーEC $2,534億（+5.3%）予測を発表：2025年のホリデーシーズン（11月1日～12月31日）の米国のオンライン売上が、前年比（YoY）5.3%増となる2,534億ドルに達すると予測。生成AIのチャットやブラウザ活用が購買に影響し、BNPLは前年より約20億ドル増（202億ドル）と予測。更に、モバイル比率は56.1%と過去最高見込み。