目次
1. AIエージェントの本格化:「対話」から「実行」へ
2025年最大の変化は、AIが「話す相手」から「仕事をする同僚」へと変わったことです。Google CloudのCTOオフィスは年末レビューで、2025年を「AIと『チャット』するのをやめて、実際の従業員のように扱い始めた年」です。
この変化を象徴するのが、ZoomのAI Companion 3.0です。2025年12月に発表されたこの機能は、会議サマリーの作成だけでなく、Google DriveやMicrosoft OneDriveなどサードパーティアプリの情報を横断検索し、フォローアップタスクを自動実行できます。基本プランユーザーでも利用可能になり、月額10ドルのスタンドアロン版も登場しました。
詳細記事:【2025年12月後半】AI動向:大統領令vsNY州 RAISE Actで読む「AI規制」と「AIエージェント」最前線
ここで重要なのは、従来のチャットボットとエージェントの違いです。たとえばパーティー計画を依頼した場合、チャットボットはレシピを教えるだけですが、エージェントはカレンダーを確認し、友人にメールで都合を聞き、食材を注文し、プレイリストまで作成します。つまり「仕事について話す」のではなく「仕事をする」のです。
2. AI規制をめぐる米国の二極化
2025年12月、米国ではAI規制をめぐり連邦政府と州政府の対立が表面化しました。
トランプ大統領は12月11日、「人工知能に関する国家政策フレームワークの確保」と題した大統領令に署名しました。この大統領令は、50州それぞれが独自の規制を設けることで生じる「パッチワーク」状態がスタートアップ企業の負担を増大させていると指摘し、統一的な連邦基準の確立を目指しています。
これに対しニューヨーク州は、12月19日に「RAISE Act(責任あるAI安全・教育法)」を成立させました。全米で最も厳格なAI透明性法であり、大規模AIモデル開発者に安全性プロトコルの作成・公開を義務付け、安全インシデント発生時は72時間以内の報告を求めています。違反時の罰金は初回100万ドル、再発時は300万ドルです。
企業にとっては、この複雑な規制環境への対応が2026年の重要課題となります。
詳細記事:【2025年12月後半】AI動向:大統領令vsNY州 RAISE Actで読む「AI規制」と「AIエージェント」最前線
3. 主要AI企業の歴史的協力:Agentic AI Foundationの誕生
2025年12月9日、Linux Foundationは「Agentic AI Foundation(AAIF)」の設立を発表しました。注目すべきは、競合関係にあるAnthropicとOpenAIが共に参画している点です。
AAIFのプラチナメンバーには、Amazon Web Services、Anthropic、Google、Microsoft、OpenAIなどが名を連ねています。この動きは、エージェント型AIの相互運用性が業界標準として確立されつつあることを意味します。企業がAIエージェントを導入する際、ベンダーロックインを回避しながら複数のプラットフォーム間でシームレスに連携できる環境が整いつつあります。
詳細記事:なぜOpenAI・Anthropic・Googleは手を組んだのか?Agentic AI Foundation誕生からサイバーセキュリティまで解説
4. Sovereign AI(AI主権)の台頭
2025年、「Sovereign AI」という概念が急速に注目を集めています。これは、AIに使うインフラ・データ・人材をどこまで自国・自社でコントロールできるかというテーマです。
Linux Foundationの調査では、回答者の79%がSovereign AIを戦略的に重要と回答しています。主な理由は、データコントロール(72%)、国家安全保障(69%)、経済競争力(48%)です。
具体的な動きとして、韓国はNVIDIAと連携し約26万枚のGPUからなるAIインフラを構築すると発表しました。EUも「AI Continent Action Plan」を公表し、クラウドとデータセンター容量を今後5〜7年で3倍に拡大する方針を示しています。
詳細記事:【最新版】Sovereign AI(ソブリンAI)って何?世界で加速する最新動向と日本企業へのインパクト
日本企業にとっても、どの領域でAI主権を確保し、どの領域でグローバルサービスと連携するかの見極めが重要な戦略課題となっています。
5. AIサイバーセキュリティの急速な進化
2025年、AIのサイバーセキュリティ能力が急速に向上しています。OpenAIによると、セキュリティ評価指標であるCTFチャレンジのスコアは、2025年8月のGPT-5で27%だったものが、同年11月のGPT-5.1-Codex-Maxでは76%にまで上昇しました。
これは攻撃側・防御側の両方にとって大きな変化を意味します。AIがゼロデイ攻撃の開発や高度な企業侵入を支援できるレベルに近づいている一方、NTT DATAはインドの4拠点で次世代AIサイバー防衛センターの運用を開始し、自律型AIエージェントによる調査時間60%短縮、アラート数90%削減を実現しています。
詳細記事:なぜOpenAI・Anthropic・Googleは手を組んだのか?Agentic AI Foundation誕生からサイバーセキュリティまで解説
まとめ:2026年に向けて企業が取るべきアクション
2025年のAI動向から見えてくるのは、AIの進化が「能力向上」と「責任ある活用」の両面で加速しているという事実です。企業は以下の3点を優先的に検討すべきでしょう。
- AIエージェント導入の具体的検討:ZoomのAI Companion 3.0のように、既存ツールへのエージェント機能統合が進んでいます。自社の業務プロセスでどこにエージェントを活用できるか、早期に検証を始めることが重要です。
- 規制動向への継続的なモニタリング:米国の連邦・州規制の対立は、グローバル展開する企業に複雑なコンプライアンス対応を求めます。日本でも2025年にAI事業者ガイドラインが策定されており、各国の規制動向を把握しておく必要があります。
- AI時代のセキュリティ体制見直し:AIを活用した攻撃・防御の両面で変化が起きています。自社のセキュリティ体制がAI時代に対応できているか、点検が必要です。
2026年もAI技術はさらに進化を続けるでしょう。技術の進歩に振り回されるのではなく、自社のビジネスにとって何が本当に価値あるのかを見極め、適切に活用していくことが成功への鍵となるでしょう。
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