【2025年11月開始】Square、全米でビットコイン決済を導入|初年度手数料0%の衝撃

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2025年10月8日、決済サービス大手のSquare(Block, Inc.傘下)が、米国の加盟店向けに画期的な発表を行いました。簡潔にお伝えすると、「Square Bitcoin」と名付けられた新サービスにより、ニューヨーク州以外の全米のSquare加盟店でビットコイン決済が可能になります。しかも、初年度は処理手数料がゼロ。これは、暗号資産が「投資対象」から「日常の支払い手段」へと進化する、歴史的な転換点となるかもしれません。

ビットコイン決済が日常になる理由

なぜ今、Squareはビットコイン決済に本格参入するのでしょうか。その背景には、暗号資産を取り巻く環境の劇的な変化があります。

Block社の公式発表によれば、「2024年から2026年にかけて、米国における暗号資産決済ユーザーは82%増加する見込み」とされています。つまり、ビットコインを「使いたい」と考える消費者が急増しているのです。

これまでビットコイン決済の最大の障壁は、技術的な複雑さと高い手数料でした。加盟店側は専門的な知識が必要で、クレジットカードと比較してもコスト面でのメリットが見えにくかった。しかしSquareは、この2つの壁を一気に取り払います。

Square Bitcoinの3つの革新的機能

Square Bitcoinは、単なる決済機能ではありません。加盟店と消費者の双方にとって使いやすい、包括的なビットコインソリューションです。

  1. Bitcoin Payments(ビットコイン決済) お客様がビットコインで支払いをすると、加盟店は即座にビットコインまたは米ドルで受け取ることができます。最大の魅力は、2026年12月31日までの処理手数料がゼロという点。通常のクレジットカード決済では2〜3%の手数料がかかることを考えると、これは革命的です。

決済は、ほぼ瞬時に取引が完了します。顧客はQRコードをスキャンするだけで支払いが完了し、既存のSquare POSシステムに完全統合されているため、新しいハードウェアも不要です。

  1. Bitcoin Conversions(ビットコイン自動変換) こちらは特に画期的な機能です。加盟店は、日々のクレジットカード売上の最大50%を、自動的にビットコインに変換できます。つまり、通常の業務を続けながら、長期的な資産形成の手段としてビットコインを積み立てられるのです。

この機能は2024年に一部の加盟店向けにベータ版として提供されており、既に142ビットコイン(2025年10月1日時点)が蓄積されています。これは、実際に多くの事業者がビットコインでの資産保有に関心を持っていることの証明です。

  1. Bitcoin Wallet(ネイティブウォレット) Squareのダッシュボードに組み込まれたビットコインウォレットにより、購入・売却・保管・引き出しといった全ての操作が一箇所で完結します。複雑な暗号資産ウォレットを別途管理する必要はありません。事業の財務管理とビットコイン管理を同じプラットフォームで行えるため、中小企業のオーナーにとって非常に使いやすい設計となっています。

加盟店にとっての具体的なメリット

では、実際に加盟店がSquare Bitcoinを導入すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

コスト削減:初年度の手数料ゼロは、特に薄利多売のビジネスにとって大きな魅力です。通常のクレジットカード手数料は業種でも異なりますが、手数料0%、手数料1%(2027年1月1日から)といった低手数料は十分なコスト削減になります

キャッシュフローの改善:即時決済は、資金繰りの改善にもつながります。クレジットカード決済では入金まで数日かかることもありますが、ビットコインならほぼリアルタイムで資金を受け取れます。

資産の多様化 Bitcoin Conversions機能を活用すれば、事業収益の一部を自動的にビットコインで保有できます。ビットコインは価格変動が大きい資産ですが、資産ポートフォリオの一部に組み込む選択肢が注目されています。

いつから、どこで使えるのか

詳細はSquare公式サイト(squareup.com/bitcoin)で確認できますが、重要な日程と対象範囲をまとめます。

利用開始日

  • Bitcoin Conversions(自動変換機能):2025年10月8日時点で利用可能
  • Bitcoin Payments(決済機能):2025年11月10日から利用開始

対象地域ニューヨーク州以外の全米のSquare加盟店が対象です。ニューヨーク州は、規制上の理由により対象外となっています。

手数料体系

  • 2026年12月31日まで:0%
  • 2027年1月1日以降:1%(それでもクレジットカードより低コスト)

ビットコイン決済の注意点

もちろん、ビットコイン決済にはリスクや注意点もあります。

価格変動リスク:ビットコインは価格変動が大きい資産です。ただし、Square Bitcoinでは即座に米ドルに変換するオプションがあるため、加盟店は価格変動リスクを回避できます。

規制の不確実性:暗号資産の規制環境は州や国によって異なり、今後変化する可能性もあります。Block社は必要な許認可を取得していますが、将来的な規制変更には注意が必要です。

Block社の長期ビジョン

今回のSquare Bitcoinは、Block社の包括的なビットコイン戦略の一部です。

同社は既に以下のサービスを展開しています。

  • Cash App:個人向けビットコイン売買アプリ
  • Bitkey:セルフカストディ型ビットコインウォレット
  • Proto:ビットコインマイニング製品
  • Spiral:ビットコインのオープンソースプロジェクト支援

これらを統合することで、「ビットコインのエコシステム」を構築しようとしているのです。ビットコインを「投機対象」として保有するのではなく、「使う通貨」として日常生活に取り入れられる。これこそが、Square Bitcoinが目指す世界です。その実現に向けた布石と言えるでしょう。

ビットコインが日常になる未来へ

Square Bitcoinの登場は、暗号資産業界にとって重要なマイルストーンです。
これまでビットコインは「いつか価値が上がるかもしれない投資対象」として扱われることが多く、実際に日常の買い物で使われることは稀でした。

しかし、米国の大手決済プラットフォームであるSquareがビットコイン決済インフラを整えることで、状況は一変します。コーヒーショップで朝のラテを買い、ランチをビットコインで支払い、週末の買い物もビットコイン決済で完了する。そんな日常が、もうすぐそこまで来ています。

もちろん、これがビットコインの「大量採用」につながるかどうかは、今後の展開次第です。消費者と加盟店の双方がどれだけ利用するか、競合他社(PayPal、Stripeなど)がどう対応するか、規制環境がどう変化するか——これらすべてが今後の鍵となるでしょう。

しかし確実に言えるのは、ビットコインを「使う」選択肢が、これまでになく身近になったということです。あなたが加盟店オーナーなら、新しい決済手段として検討する価値があります。消費者なら、近所のお店でビットコイン決済が使えるか、チェックしてみてはいかがでしょうか。

ビットコインが日常の決済手段になる未来。それは、もう始まっています。


参考・出典

本記事は、以下の資料を基に作成しました。


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